(工期:2013(平成25)年5月8日~2014(平成26)年12月26日)
施工
建築: | 清水建設株式会社 |
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電気: | 株式会社関電工 |
機械: | 日本装芸株式会社 |
監理技術者: | 山本 政之 |
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現場代理人: | 後藤 将彰 |
安田講堂とは
安田講堂の名で親しまれていますが正式には東京大学大講堂といいます。安田財閥創始者、安田善次郎氏の寄付金によって建設されたことから安田講堂と呼ばれるようになりました。
1921(大正10)年起工、関東大震災を挟み1925(大正14)年に竣工しました。
1968(昭和43)年には東大紛争の拠点となりニュースにも多く登場しています。
正門から入るとまっすぐに伸びる銀杏並木の先にあり、東京大学のシンボル的建造物になっています。
1996(平成8)年には有形文化財にも登録された歴史的建造物です。
今回の改修工事について
これまで部分的な改修は何度かエ事が行われてきましたが、大規模改修は1990(平成2)年に次ぎ2回目となります。
今回、これほど大規模な全体的な改修に至った原因の一つは、2011(平成23)年3月11日に 起きた東日本大震災です。
この時、正面玄関の一部が損傷したこともあって、耐震面の不安を払しょくするため耐震化に合わせて、意匠は創建時のデザインに復元し、使い勝手を考慮して動線計画も見直すこととなりました。
設備では全てのダクト、配管、機器類の撤去、更新が行われました。居室等の快適性、環境性、省エネ等の向上を目指したのはもちろんですが、意匠に配意して「すべての設備を隠ペいする」計画としました。
このため機器の配置・天井内の納まりを検討しつつ、間仕切や 天井の高さを決めることとなり、CADと格闘する日々が続きました。
講堂内は設備騒音NC-25以下という静粛性が求められます。ダクト、配管サイズ及び経路の見直し、さらには講堂および隣接する居室すべての防振施工を行い消音機の設置等で音の低減を図っています。
やりがいと達成感
歴史的建造物の改修では、特に撤去工事の大変さが身に沁みます。残置されるものが多く、それが活きているのか、何の配管か、即、判断を迫られます。またエ事中に各階各所のプラ ンが全面見直しとなり、特に1、2階のプランはほとんど変わって、それまでに描いた施工図は全く使い物にならなくなってしまいました。
しかし、いざ大型空調機が稼働開始して居室に空気が送られ、トイレから水が流れること が確認できた時は、エ事に携わった者にしか分からない達成感があります。
安田講堂の歴史を知ることから始まった現場ですが、お客様の立場に立つことで、設計意図、方針を今まで以上に考えるようになりました。それによってVE提案の幅がこれまで以上 に広くなることが実感できました。
就活中の皆さんへ
現場管理の仕事が自分にできるのか、また興味の湧く仕事であるのかどうか、不安もあるでしょうが、こればかりはやってみないとわかりません。「石の上にも3年」といいます。
すぐに諦めてはいけません。まず、一所懸命やってみましょう。社員全員で応援します。
エ事が無事完成し、お客様に喜んでいただいた時の感激は忘れられないものになります。
やりがい、達成感を感じたい方はぜひ日本装芸へ。まずは現場の見学からでも構いません。